
近年注目を集めている、スーパーフード菊芋。なぜスーパーフードといわれるのか、菊芋の秘められた効果・効能について知識を深めていきましょう。超簡単レシピもご紹介します!
この記事の目次
菊芋とは

菊芋とは北米原産のキク科ヒマワリ属の多年草です。背丈は2〜3m程で群生し、夏場に直径7~10cmほどのヒマワリに似たキレイな花を咲かせます。別名はアメリカイモとも呼ばれ、食用とするのは生姜のような状態に成長した根の部分です。もともとアメリカ先住民の貴重な食料で、日本には江戸時代末期に、家畜用の飼料作物として伝来しました。
春に地上に芽を出し、夏場に花を咲かせ秋の深まりとともに枯れます。その後、根の部分が掘り起こされて市場に出回るため、新鮮な菊芋旬の時期としては11~12月頃です。
選び方は、丸々とした張りのある硬いものを選びましょう。収穫からしばらく経つと、しなびた感じに乾燥し、柔らかくなります。
菊芋の栄養と効果・効能
低カロリー
菊芋は「芋」が名前に入ってはいますが、実は芋の仲間ではなく、ゴボウの仲間。芋類にはでんぷん質(=糖質)が多く含まれますが、菊芋にはあまりでんぷん質が含まれいません。なんとカロリーはジャガイモの半分以下!カロリー摂取の制限やダイエット、糖尿病の治療などに効果が期待できる食材です。
食物繊維・イヌリン
菊芋は天然のインスリンとも呼ばれるほど、血糖値のコントロールに一役買ってくれる優れもの。インスリンとは血糖値を下げるホルモンです。なぜ菊芋は天然のインスリンと呼ばれるかというと、水溶性食物繊維のイヌリンが豊富に含まれおり、血糖値の上昇を抑える働きがあります(血糖値を下げるわけではありません!)このイヌリンの含有量は野菜の中でもトップクラス。さらに余分な脂質や糖質や塩分、コレステロールなどを包み込む作用があり、吸収を抑制します。また、イヌリンは体内で水分を含むとゲル状になり、腸内で便を柔らかくしたり、カサを増やして排出してくれます。腸内では善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるため、身体の免疫機能が正常化します。
これらのことから、糖尿病の症状改善や糖尿病予防、高血圧などの生活習慣病予防や、便秘解消によるダイエットなどに効果が期待できます。

ミネラル成分・セレン
菊芋にはカリウムやカルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛やセレンなどのミネラル成分が含まれています。中でもセレンが豊富に含まれており、動脈硬化や老化を促進させる過酸化脂質を体内で分解する酵素。セレンは菊芋に含まれているビタミンEと同時に摂取することができるため、より抗酸化作用が高まります。女性の大敵である、シミやシワ予防や老化防止、ガン予防の効果が期待できます。
気になる菊芋の味は?
菊芋はアクやクセが意外になく、生でも食べることができます。香りははゴボウに少し似ていて、食感はシャキシャキとしており、レンコンのような感じです。味は強くないため、味気ないと感じる方もいるかもしれませんが、それはどんな味付けとも相性がよいと言えます。

超簡単!菊芋のおすすめの食べ方 3選
菊芋は意外と手がかからないので、あまり時間をかけずに作れるレシピがたくさんあります。なかでもおすすめの3選を紹介します。
1.菊芋のゴマ油と塩コショウ和え
材料
・菊芋 ・・・ 適量
・ごま油 ・・・ 全体にからむ程度
・あらびき塩コショウ ・・・ お好みで!
作り方
①菊芋はたわしなどでしっかりと土を落としながら洗う。
②菊芋は皮は剥かず、2mmくらいに、スライサーでスライスする。
③スライスした菊芋にごま油とあらびき塩コショウをかければできあがり!
2.菊芋チップス
材料
・菊芋 ・・・ 適量
・塩 ・・・ 適量
・揚げ油 ・・・ 適量
作り方
①菊芋はたわしなどで土をしっかりと落としながら洗う。洗ったら、水気をふき取る。
② 菊芋は皮は剥かず、2mmくらいに、スライサーでスライスする。
③180度に熱した揚げ油で、からりと揚げる。塩をお好みで振りかけて、できあがり。
3.菊芋の甘辛煮
材料
・菊芋 ・・・ 150g
・しょうゆ ・・・ 大さじ2
・砂糖 ・・・ 大さじ1
・みりん ・・・ 大さじ2
・酒 ・・・ 大さじ2
・水 ・・・ 大さじ2
・ごま油 ・・・ 適量
作り方
①菊芋はたわしなどでしっかりと土を落としながら洗い、一口大に切る。
②小さめの深めのフライパンにごま油を熱し、切った菊芋を透き通るくらいまで炒める。
③残りの材料を全て入れ、フタをして煮汁が3分の1くらいになるまで中火で5分ほど煮詰める。
④お皿に盛り付けできあがり。
お手軽!おすすめ菊芋製品
生の菊芋が手に入らなければ、菊芋製品で食べるのもおすすめです。
チップス状の乾燥菊芋
菊芋に何も加えず、自然乾燥させたものがあります。そのままスナック菓子のように食べてもよし、ティーパックなどに入れてお茶として飲むもよし、水で戻して料理に使ってもよし!幅広い用途で使えるのが魅力です!
菊芋麺
血糖値が気になり、麺類を控えている方におすすめなのが、菊芋麺。クセがなく、つるつるとした食感で、まるでラーメンのような感じです。和風・洋風・中華どの料理にも合います!乾麺タイプは日持ちもしますし、贈り物にも最適です。
菊芋茶
ほんのりとした甘みがあり、花のような香りを楽しむことができます。ティーパックに入った状態であれば手軽に菊芋茶を楽しむことができます。
菊芋パウダー
菊芋パウダーは何にでも使えます!糖質制限でお菓子をやパン控えている方も、小麦粉の割合をを2割ほど菊芋パウダーに置き換えて使用するのがおすすめです。そのほか、味噌汁やカレー、ハンバーグやお好み焼きなどに加えるのもおすすめです。
菊芋スウィーツ
菊芋を使ったスウィーツもおすすめ。お子様や、血糖値が気になる方のおやつや、ちょっとした手土産に喜ばれます。
菊芋を摂取するときの注意点
スーパーフードの菊芋ですが、食べ過ぎには注意が必要です。水溶性食物繊維のイヌリンを多く含むため、食べ過ぎるとお腹が緩くなることがあります。また、菊芋に含まれるセレンは過剰摂取することで脱毛などの症状を引き起こすことがあるようです。一日の摂取量の目安として、100g程度が理想です。生の菊芋であれば2~3個程度です。
さいごに
菊芋の驚くべき効果・効能について理解できましたか?味にもクセがなく、いろいろな用途があったり、製品としても多く出回っています。さっそく日々の食生活に菊芋を取り入れ、より健康的な体づくりを心がけましょう。健康に勝る宝なしです!